その日は妙に気分が落ち着かない日だった
朝起きて いつもの様に
会社の始業時間を気にしながら
身支度を整える
いつものルーチンワーク
自分は朝食は食べない人間なので
コーヒーだけ飲んで
時間になったら家を出る
玄関を開けると注ぎ込む日差しが眩しい
２階の踊り場の木製の手摺から
見下ろして送ってくれるニャンコに
行ってきまーす！ と声をかけると
ちゃんと ニャー と返事を返してくれる
いつもの日常風景だった
会社までは小型のスクーターで３０分の道のり
地方都市なので晴れてれば
快適なプチツーリングとなる
私は この往復の時間が好きだ
走る車の数もそんなに多くないので
気持ちよく走る事が出来る
いつもの風景
だけど 今日は妙に心が落ち着かない
何故なんだろう？
こんな気分は初めてだった
信号待ちで見上げる空
ふと 太陽が二つに見えた？
その瞬間 強烈な眩暈に襲われたが
それは一瞬の出来事だった
幸い信号待ちだったので
めまいで運転が危なくなることも無く
信号が青になったので
そのまま走り出そうとした。。。
が、 なんか変だ
歩道に居た人の姿が。。。
えっ なにこれ
隣に止まってた車の運転手も
何か叫んでるので
そちらを見た瞬間 目が点になった
顔が犬顔になってる
歩道の人も猫みたいな感じだが
遠めなのでイマイチ判別出来ない
そして気が付いた
自分のお尻に違和感がある
なんか尻の感覚がおかしい
慌てる気持ちを抑えようとしたが
ミラーに写ったヘルメット越しの
自分の顔を見て驚愕した
どうみても狐っぽい顔付きになってる
という事は尻の違和感は。。。
やはり尻尾だった
紛れもない狐の尻尾が生えてる
いや これはこれで良いかも なんて
少し喜んでる自分にも呆れたが
もしかして とうとうその日が来たのか！
気を取り直して周りを見渡してみると
町の風景はそのままにも思えたが
少し違っていた
空き地になってた場所に
見た事も無い建造物が出来てる
そして見た事も無い生き物も
あちこちに出現し始めた
あきらかに人間では無いそれは
最初 うっすらと認識出来る程度だったが
徐々にその姿がはっきりしてきた
それはファンタジー世界では
良く見る妖精や神様？の類の姿
びっくりして動けなくなってる自分の頭上に
巨大な宇宙船が出現したのも
同時の事だった
そして その巨大な宇宙船は
巨大なテレビ画面を下方に向けて
何かを語りかけ始めた
気が付くと その巨大な宇宙船は
あちこちの上空に浮かんでるのが見えた
その宇宙船のテレビ画面からは
とても美しい女性の姿が写っていて
どうやら 慌てず落ち着くように
皆に向かって語っている様だった
そんな自分の傍らを狼が駆け抜けて
かなりびっくりした
いる筈の無い狼が居た？
えっ？と思ったが
たぶん それは元 人間だったのだろう
宇宙船のテレビ画面では
まずは落ち着いて欲しい
この事態の説明を行うので
皆 テレビを見る様に
促してるのが理解出来た
私は郊外の道路上だったので
さして混乱には巻き込まれなかったが
都市や人が大勢居る場所では
さぞパニックになった事だろうと思う
そこに留まっててもしかたが無いので
信号機は機能してるようだったので
まずは会社に行ってみる事にした
会社までの道のり
やはり あの眩暈に襲われて
車の運転を誤った人も居たみたいで
あちこちで事故も起きていた
が、それ以上に皆 自身の姿の変化に
驚愕してしまって事故処理どころでは無い
パニックになってる場面にも遭遇したが
とりあえず会社の駐車場に着いたので
バイクを置いて会社に入ってみる事にする
ただ 自分も既に狐人間と呼べる程に
顔が変化しちゃってるので
周りにドン引きされないか心配だった
が、それは杞憂だったらしい（汗
会社に入った瞬間 見た光景は
獣顔の人間達が
殆どパニック状態に陥ってる現場だった
皆 基本的には人間の形なんだけど
思いっきり顔や肌が変化しちゃってる
その姿は狐、猫、犬、狸、ウサギまで居る
まぁ 獣姿の博覧界状態でもある
皆 パニックになってるので
とりあえず落ち着かせて
宇宙船の女性が語ってった
テレビを見る様にとの言葉を
皆に教えて
どうせ仕事にはならないので
皆で食堂のテレビを見に行く事にした
時間も経過してか
少しずつ皆も興奮が収まってくると
それぞれの容姿を
マジマジと見る余裕も生まれてきた
基本的には皆 人間の姿ではある
それにアニメなんかでは定番の
獣パーツが付いてる状態
テレビを見ると青い画面で
「しばらくお待ちください」の文字
チャンネルを変えてみるが
どのチャンネルも同じだった
これじゃ しょうがないなぁ と思ってると
いきなり画面に宇宙船のテレビに出てた
とても美しい女性が登場して話し始めた
彼女は淡々と先ほど起こった事態を
丁寧に語り始めた
彼女の説明では
世界は次元融合と言う
今の私達が空想と思ってた世界と
重なり合ったのだと言う
私達の日常だった現実世界は
こうして一瞬のうちに幕を閉じたのだった
彼女の説明は延々と続いた
試しにチャンネルを変えてみたが
どのチャンネルも同じ内容であり
これはたぶんテレビ局と言うより
宇宙船のシステムから直接
テレビに流されてるのだろうと思えた
彼女の語りは流暢で丁寧
そして美しい容姿なので
飽きる事無く見る事が出来た
どうも世界は一瞬で変わってしまったらしい
私は運よく朝に迎えたが
他では夜の寝てる時間に
変わってる地域もあるだろう
朝 起きてさぞやビックリする事だろうと思う
今後の世界についても
彼女は説明をしてくれて
徐々に事態を飲み込める様になった
次元融合という事態
たしかネットの記事で
そんな事を書いてた人が居た様な気もするが
そんな夢物語があるわけ無い！と
あまり気にも留めなかった気がする
何はともあれ 世界は変わってしまった
もう戻れないなら
この事態に馴染むしかないだろう
世界が変わる際のショックで
運悪く事故を起こしてしまった航空機や
車は結構あったらしい
それで巻き込まれた人は不幸だったが
何事も変化には犠牲がつき物なのだろとも思う
とりあえず自分は変わってしまった姿で
飼い猫が認識してくれるか？が心配だった
怒涛の一日が終わって
無事 家に帰って玄関を開けた
お帰りなさい ご主人様！とうやうやしく
頭を下げる人間の様に振舞う
飼い猫の姿があった
さて 次元融合した日
これをショートストーリーの
ノベル風に書いてみました
主人公はごく普通の一般人
神様なんかまるで関係ない状態の
猫と生活する自分という設定です
神様が語ってる次元融合は
ある日 一瞬の出来事なんだそうです
そして一瞬で変わってしまう世界ですが
生き物はその内面によって姿も変化します
人間は欲望が強ければ
その強さにあわせた姿になります
なので作中に出てきた狼は
欲深き人間の成れの果てで
あまりの欲望に
人の心も無くしてしまってます
大半の人は主人公みたく
少しだけ獣人化するだけです
動物は心が素直ですから
そのまま もしくは半人間化します
ペットなんかは主人との関係で
良好なら良きパートナーとなるし
関係が悪ければ。。。（汗
な事にもなりかねませんね
普通の一般の人達はこんな感じで
新しい世界に入っていくんだと思います
ただ縁あって早めに覚醒してる魂は
次元融合した瞬間
魂が全部を呼び起こして
瞬間的に自己の使命を思い出します
最初はあちらから来た神様・神使と
この覚醒者でもって世界が運行されます
現行のシステムは上位のシステムに
全て移行しますので
混乱は１日程度で
すぐに新たなシステムで機能を始めます
旧世界と新世界での最大の相違点ですが
それは人が魔法を使えるという事です
まぁ 魔法と便宜上書きましたが
要は物が生み出せる様になる事です
その人の資質と魂の浄化具合に比例しますが
最初は食べる物 これから出せる様になります
ただし 慣れは必要です
最初から美味しい物は期待しないでね
残念ですが
現行の行政システムは崩壊します
これは何故か？ですが
行政・金融などなど上位の人材が
殆ど居なくなっちゃうからです
地位や名誉 金銭欲
これは足枷にしかなりません
次元融合しちゃうと欲が表に出てしまいます
人としての意識も無くなった方が
ある意味 幸せかもしれません
半端に人の意識が残れば
その容姿に恥ずかしくて
人前には出れなくなります
今の世界システムは
根本から変わります
人が生きる為に必要だったお金
これが必要なくなるからです
最低限 人間は
食料を生み出す事が可能になります
魔法も学べば更に使える様になります
皆が絶対に見る
ホウキで空を飛ぶ夢
これも可能になります
まぁ ホウキである必要は無いんですが
空を飛ぶ 水中を自在に移動する
こんな事は可能になる世界になります
仕事は趣味や生きがいで行う様になります
人は本来
誰かの役に立ちたい生き物です
だから衣食住の心配が無くなれば
誰かの為に何かをしたくなるんです
この先の世界は そんな世界になります
皆が笑顔で生き生きと生活出来る
毎日が楽しくて楽しくて
明日が来る事がワクワクする世界です
だから 何も心配は要りません
私達はその日が来るまで
心の掃除をしながら
他者も自分も良くなる様な
そんな毎日を考えて過ごせば良いんです
他者の悪口は言わない 聞かない
他者を妬まない 陥れない
笑顔を忘れない 暗い考えは無くしましょう
現実世界なんかゴミだらけでも構わない
それより心を綺麗に掃除しましょう
心が綺麗になると
現実世界も綺麗にしたくなるもんです
だから心が先なんです
拗ねない イジケナイ
今苦しいのはあなたの魂を
鍛えてくれてる神様の愛情です
世界が変わるまで
ワクワクしながら待っててください(#^_^#)
では (^0^)/~~see you again!
